トマト在住の青年による執筆活動

短編の小説を書いていきます。不定期・自己ベスト更新です。たまーに自分勝手な記事も書きます。

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

短編№2 ロッカー番号二十番の神様⑩

「橋本ぉ。さっさと帰るぞー。」 「あ、ごめん石田。国語の宿題、教室に忘れてきたっ。取ってくるから、先に歩いてて。」 「わかった。早く来いよ。」 「ありがとう。」 頭をポリポリと掻きながら急かす石田に自然と礼をこぼし、橋本は小走りで校舎へと歩き…

衝動的掌編№1 ダイイング・メッセージ

「どうして万引きなんてしたんだ?」 「・・・。」 机を挟み、目の前のパイプ椅子に座る少女は、私の問いに俯きながら押し黙っていた。机の上には、小さな梅ガムが一つ、ころんと転がっている。 「どうして、ガムだけ万引きしたんだ。他の商品は、ちゃんと会…