トマト在住の青年による執筆活動

短編の小説を書いていきます。不定期・自己ベスト更新です。たまーに自分勝手な記事も書きます。

2015-07-01から1日間の記事一覧

無機物の声を書いてみた!~三作目~

見覚えのある一人の男が、私の根元に立っていた。いつも連れて歩いている女は、その日はいなかった。 男はいつもより何やらめかし込んでいて、皺一つ無い上等そうなスーツを着ている。時折、右腕に付けたシルバーの時計に目をやっては、きょろきょろと周りを…

短編№2 ロッカー番号二十番の神様③

「橋本ぉ。帰るぞー。」 陸上部の部室から校舎へと戻ろうと歩き出した時、石田から声をかけられた。 「悪い石田。教室に忘れ物したからさ、昇降口で待っててくれる?」 「あー?何忘れたんだよ?」 「んっと、ノートだよ、数学のノート。宿題出てるからさ。…