トマト在住の青年による執筆活動

短編の小説を書いていきます。不定期・自己ベスト更新です。たまーに自分勝手な記事も書きます。

2015-06-23から1日間の記事一覧

無機物の声を書いてみた!~一作目~

「お疲れ様でーす!お仕事引き継ぎますねー!」 長い長い勤務時間に終わりを告げに、掃除機が俺の前に背中を向けて置かれた。 「来るのが遅ーよ・・・。もうちょっと早く来いよ。過労で倒れちまう。」 「そう言われましてもねー・・・。僕も忙しいんで・・・。」 俺か…

無機物の声を書いてみた!~ただの説明文~

長編小説、全然進まない・・・(泣) 何なんでしょうね、話の細かい設定とか決めて、いざ書き進めて行くときに心から湧き出る、”これじゃない感”は。 かといって大して何も決めずに書いていくと躓くし、やっぱり小説書くのって難しいですね。楽しいけど。 って…

短編№1 拝啓、白猫より⑥

気づけば、自殺をした山にいた。 なんでここに来たかはわからない。けれど、神様が母さんの住む家で溶けて無くなる僕を、流石に不憫に思って連れてきたのかもしれない。 雪はもう殆ど溶けて、今僕が座っている所しかなかった。 足下の雪がしゅわしゅわ溶けて…

短編№1 拝啓、白猫より⑤

僕が猫になってから、一ヶ月が経った。 相変わらず人間の言葉を喋ることは出来ない。母さんは人間だった頃の僕の葬儀を終えたものの、僕の遺品整理や親族への対応など、忙しい日々を送っていた。スーパーでの仕事も再開していたから、なおさら忙しいようだ。…

短編№1 拝啓、白猫より④

白猫になった僕は、その足で人間だった頃住んでいた家の前まで帰っていた。 まさか、猫の足ではここまで来るのに半日かかるとは思わなかった。ずっと休み無く歩き続けて、身体はくたくただ。コーラを飲んで、ベッドで横になりたい。けれど、いくら玄関の前で…

短編№1 拝啓、白猫より③

クロが死んでから一ヶ月が過ぎた。あれから何度か、自殺未遂をした。飛び降りをするためにマンションの屋上に立ったりもしたが、身体が躊躇してフラフラとしている間に人に見つかり、その時は無言で逃げ帰った。 季節は秋から、冬を迎えようとしている。風は…

短編№1 拝啓、白猫より②

さあ、まずは僕が人間だった頃の、一つの事件を書いてみようと思う。多分、あの事件を起こしたから、僕は神様に目をつけられて、こんな姿になったんだろうから。 夏はとっくに過ぎ、秋も半分くらい過ぎたあの日、僕はいつものように昼になるまでベッドの上で…